FOOTBALL VISION ホーム ▸ 2015年5月03日 西地区のグループのACL

西地区のグループのACL

 今年のACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)も現在各地で激戦が繰り広げられており、グループリーグは5月5日、6日に開催される最終節のみとなった。決勝トーナメントへの進出がかかった最終節も激しい戦いが予想される…

 ACLはご存知のように、アジアNo.1のクラブチームを決める大会であり、アジア各国の主に自国のリーグでの上位クラブが出場権を得ることができる。
 グループリーグは、西地区と東地区に分かれて行われており、現在では西地区と東地区のクラブは決勝戦まで対戦しないことになっている。

 東地区に日本は属しており、Jリーグのクラブが出場していることから、東地区のグループについての情報が日本の方々には多いかと思うため、ここでは筆者自身が出場した西地区のグループについて書いてみたいと思う。

 2015年の西地区のACL出場国のクラブ数は、ウズベキスタンが4クラブ、サウジアラビアも4クラブ、そしてイランも4クラブで、UAEが2クラブ、カタールが2クラブの計16クラブとなっている。
 どのクラブも、豊富な資金があり、自国の代表選手たちはもちろん、世界各国の現役代表選手たちがプレーしていて、非常に力があるクラブばかりだ。

 例えばUAEのアル・アインに所属しているFWアサモア・ギャン(29歳)は、ウディネーゼやレンヌ、サンダーランドなどで活躍し、ガーナ代表としても90試合出場46得点(※2015年5月4日現在)を記録している現役ガーナ代表選手だ。3大会のW杯に出場し、アフリカ選手としてW杯歴代最多ゴール(通算6ゴール)を決めている。
 また、サウジアラビアのアル・ヒラルにはマンチェスター・シティやセルティックなどで活躍し、昨年のブラジルW杯での日本対ギリシアの試合でも先発出場していた、ギリシア代表で80試合9得点(※2015年5月4日現在)のFWゲオルギルス・サマラス(30歳)が所属している。
 さらに、チェルシーやトゥエンテなどで活躍した、現在25歳ながらスロバキア代表ですでに51試合に出場し6得点(※2015年5月4日現在)を挙げているMFミロスラフ・ストッフなど、その他にも現役各国代表選手たちが多数西地区のクラブでプレーしている。Jリーグのクラブとあまり対戦しないため、日本の方々にはなかなかニュースが届きにくいが、西地区のグループリーグも非常に厳しく、激しい戦いが毎年繰り広げられており、年々レベルも上がってきている。
 筆者がウズベキスタンのFCパフタコール・タシュケント在籍時に実際に2012年のACLで対戦したクラブも非常に力のあるクラブだった。

 アル・イテハド(サウジアラビア)、バニヤス(UAE)、アル・アラビ(カタール)の3クラブと同じグループで対戦した。
 アル・イテハドは2004年、2005年とACL史上唯一の2連覇を果たしているクラブであり、2009年も準優勝していることから、日本の方々にも多少馴染みがあるクラブだろう。
バニヤスとの対戦の第2戦はグループリーグ最終戦で勝利した方が決勝トーナメント進出という状況だった。元スペイン代表でアスレティック・ビルバオで353試合出場59ゴールを挙げている、ビルバオの英雄と呼ばれたMFフランシスコ・ジェステもトップ下のポジションでプレーしていたが、セネガル代表FWアンドレ・センゴールに先制ゴールを決められて我々は敗戦を喫し、2勝1分け3敗で、我々FCパフタコール・タシュケントはグループリーグで敗退することとなった。試合前は我々も毎試合相手チームを分析した映像をチームで観て研究もしていたが、バニヤスも非常に力のあるクラブであった。
 カタールのクラブもアル・サッドが2011年に優勝していることからもアジアで力があるということがわかるだろう。

 西地区でACLに出場した日本人選手は、2012年の筆者、2013年の森本貴幸、そして現在出場している佐藤穣の3人である。

 現在ACLに出場している佐藤穣はウズベキスタンのFCブニョドコルで2014年からプレーしている。
 今年の2月17日、柏レイソルがACLプレーオフでチョンブリFC(タイ)と対戦し、延長の末3−2で勝利。ACL本戦出場を決めたのと同日に、別の国でプレーする日本人選手佐藤穣も同じくACL本戦に出場することを決めていた。
 佐藤が所属するウズベキスタンのFCブニョドコルは同じくACLプレーオフで、アル・ジャジーラ(UAE)とホームであるタシュケントで対戦していた。
 アル・ジャジーラは、イタリアセリエAのユヴェントスやローマで活躍した現役モンテネグロ代表のFWブチニッチ、元ブラジル代表MFジュシレイ・ダ・シウヴァなどを擁するUAEの強豪クラブである。佐藤は先発フル出場し、ウズベキスタン代表MFサルドール・ラシドフへの決勝ゴールをアシストし、2-1での勝利に貢献。クラブをACL出場に導いている。そして、グループリーグもこれまで5試合すべてに出場しており、FCブニョドコルの主力選手として活躍している

 豊富な資金で力をつけてきていると言えば東地区だと中国のクラブをイメージするかと思うが、それと似た様子でより以前から西地区のクラブも力をつけてきている。
 欧州でも資金難に苦しむクラブが多くなる昨今、もちろん資金だけがすべてではないが、いつかアジアのどこかのクラブが欧州の著名なクラブと肩を並べる日も来るかもしれない。

 5月5日、6日で行われる2015年ACLグループリーグ最終戦。決勝トーナメントへは果たしてどのクラブが進むのか。Jリーグ勢が戦う東地区だけでなく、西地区にも注目して観てみると、ACLがさらにおもしろくなるかもしれない。

photo by FC Bunyodkor

2015年5月03日
編集長 柴村直弥

編集者

『FOOTBALL VISON』の記事を執筆している編集者を紹介します。